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2023年12月8日
小野寺拓也・田野大輔『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』読了。
表紙の惹句?の「歴史学からみてナチスに評価できる点はあるか?」というのが、本の内容を表してますね。

簡明なんだけど、難しい。歴史、歴史学というものの捉え方、考え方に訓練が要って、それがわたしには足りていない。
「はじめに」で、歴史には〈事実〉〈解釈〉〈意見〉という三つの層がある、とありますが、まずここが難しい。
〈事実〉からしてまず、「歴史的事実は「純粋なまま」でわたしたちのところにはやって来ない。なぜなら歴史的事実は純粋な形態では存在しないし、存在しえないから」とあり、読んでる時は「うんうん」と頭で理解できていても、なかなか腹落ちできない。ついつい、あったことはあったことだし、なかったことはなかったことだし、と思っちゃう。

で、ナチスのやったことは、文脈を切り離せば良かったこともあるように見える。けれど、本当に文脈から切り離せるものなんだろうか、切り離して解釈できるものなのだろうか、切り離す時の切り出し方で自ずと別の文脈が乗ってくるよねと、そういうことを、ナチスのやったこととそれにかかわるネット上の言説を具体例に引いて書いてある。

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