平田陽一郎『隋』読了。
副題は「「流星王朝」の光芒」。いい題名!
南北朝の動乱を鎮め、中華を統一し、瞬く間に滅んだ隋。
親しみやすいラフな文体で分かりやすく書いてくれているのですが、わたしは今とても混乱しています。

隋成立の時代背景、ええと、まず後期北朝。西魏、東魏が北周、北斉となって、遊牧国家の突厥との交渉、衝突があり、鮮卑族の楊氏が北周から禅譲を受け隋建国。
で、後期南朝。梁が滅んで西魏の傀儡国家の後梁が起こり、それとは別に梁からの禅譲を受けて陳が起こり。
そして、共に隋に滅ぼされる。

突厥も一枚岩ではないので、突厥との関わりも複雑で複雑で。分かりやすく書いてくれているけれど、自分の中で整理整頓が出来ていない。
北方の胡、華北の漢、東南海域の蛮が絡み合っているのが統一王朝の隋である、というざっくりとした理解に留まっています。

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「科挙」を創設したのが隋だったのは初めて知りました。隋での登用はほとんどなかったそうです。
中国における仏教というものをわたしは全く知らないと言っていいので、そこら辺をおさえていきたいなあ、と思いました。儒・道がありながら、どうして仏をも必要としたんだろうか。
で、この本を読むと、稀代の暴君とされている煬帝のことが、ちょっとだけ好きになれます。
大型公共事業連発し過ぎてて、暴君は暴君なんですけどね!どうして吐蕃や高句麗に侵攻しちゃったんだろうとか、兄を廃するのではなく支えることはできなかったんだろうかとか、ちょっと悲しくなりました。

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