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ジョン・コナリー『失われたものたちの本』読了。
第二次世界大戦下のイギリス。継母との折り合いが悪く鬱屈を抱えた主人公は、亡くなったはずの母親の助けを求める声に誘われて、壊れ行く物語の世界へ迷い込む。
物凄く悪趣味な「はてしない物語」といった趣きでした。

有名どころの昔話を悪意を持ってねじくれた読み方をすると、こうなるかあ、といった感じ。
思春期のとば口の性への嫌悪感が全編に渡って濃厚に描かれており、性とは穢れたものという観念への嗜好を強烈に感じた。

お話としては成長物語ということになるのですが、冒険の中で主人公が成長していってる感がいまいち読み取れず、敗北していった歴代の王と主人公を別つものはなんだったのかもはっきりと分かりませんでした。

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