村上春樹『1973年のピンボール』読了。
前作(風の歌を聴け)より若干ファンタジー度が上がってる感じた所為か、前作よりは肌馴染みが良い。とは言っても、相変わらず書かれている言葉はわたしの表面を滑っていって、話を読めてはいないのだけれども。
とにかくイメージの断片が散りばめられていて、それが絵になっているような、いないような。いや、なってないな、たぶん。手持ちのイメージの手数が多くて、羨ましい。
風景の描写が、明るい静かな夜みたいな感じで良かったです(人間が出てこなければいいのになあ、みたいなことも思った)。
#読書
あ、『1973年のピンボール』の洒落臭ポイントは、主人公がカントを読んでるところですね。
お前、それ、絶対カントじゃなくても何でもいいだろと、洒落臭えと思いました。
「◯◯じゃなくてもいいだろ」ってのが、わたしはかなり嫌なんですね。
そういう虚しさの集積が味なんでしょうけれど。