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呉座勇一『戦争の日本中世史』読了。
元寇から応仁の乱までのおよその300年の武士の在り方を取り扱った本。
階級闘争史観への反駁が強くて読んでて気が散るのですが、そもそもがそういうコンセプトの本なので致し方なく。
時事ネタを多用してフランクに分かりやすく書いてくれています(2014年発行)。
あんまりパキッとしていなくてもやんもやんとした読み心地の本なのですが、歴史の実情というのはさほど痛快なものではなく泥縄でもやもやしたものですよ、というのがおそらく伝えたいことなので、もやんもやんとした読み心地なのも致し方なく。
読んでて見えてくるのは、状況に流されて自分の意志で選べる選択肢はさほどなく、いつの時代も生きるのに懸命な武士の姿でした。

個人的には、尊氏と直義の兄弟は仲が良いと書いてくださっていたのが嬉しかったです(ああっ、観応の擾乱!!)
で、これまた個人的な感想ですが、新書の「応仁の乱」よりこっちの本のほうが、乱のことが分かりやすかったです。この本読んで分かるのは乱の前景ぐらいで、過程とかはやっぱりよく分からないのですが。新書のほうで分かったの、乱の当時の奈良のお坊様の生活だったものな。

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