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2023年2月18日
志賀直哉『小僧の神様・城の崎にて』読了。
小さな事件は起きるが、大きな事件に発展しない、させない。話らしい話のない話たち。文章に気負いがない。
新潮文庫のカバー装画が熊谷守一の「赤蟻」なんですが、新潮社装幀室さすが慧眼というか、本当にそんな感じ。深夜の砂抜き中のアサリの身じろぎ。細々としたものを、ぽんと切り出して置いた短編集。
見捨てた恋人を未練がましく思ったり、片恋で失恋を捨てきれずにいたり、だらだらと不貞をしたりと、男の身勝手な様をわりとつらつら書いてんなと思いました。
開き直りではあるんだろうけど、許しを請うでもなく責めを負うでもなく、「だってそうなんだよ」と不貞腐れてもおらず。

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