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Angels in America, Part1, Tony Kushner

現代演劇の戯曲としては最長の作品の一つでは?全4回にわたって読んでいますが、そのパート1。物語の背景や人物相関図を提示するような作りではあるものの、エンターテイメント性が高くて全然退屈しない。参加者の一人から、戯曲として読みやすかったというコメントもあったのだけど、確かに過不足なく情報が書かれていて場面転換が多いわりにすんなりと舞台がイメージできる。
印象に残る人物はロイ・コーン。誤解されるかもしれないけどこの戯曲で私の一番好きなキャラクターで、作品を見返す度になぜこの人はこんな言動をするのかと考えるのだけど、エイズを宣告された時にロイが自分は同性愛者ではないと啖呵を切るロジックが今回ようやく理解ができたかもしれない。理解と言ってもそのロジック自体の整合性ではなく、それに続く医者の、それでもエイズに感染した事実を確認する冷静な言葉の意味が腑に落ちたからだと思う。
エイズとコロナをパラレルに理解することには慎重にあるべきだと思うのだけど、しかし私自身の経験の中でウイルスが容易に人を殺すという事実を実感させたのはパンデミックが最初でもあるので、どうしてもそこを経由して考えてしまう。

病気は人を差別しないけれど、人は人を差別するしそのために人が死ぬのだ、ということは、後半のロイとベリーズのやりとりや治験薬を手に入れる流れとかとも合わせてもう少し考えたい。

しかし、新国立は本当にこれをやれるのだろうかという不安が読み進めるたびに、そして公式の告知やプレスを見るたびにふくらんでいくんですが。通しのチケット買いましたけども、ねぇ。

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