Betty! A Sort of Musical
いろいろあったサラ・フランコムの演出復帰作なんですが、これはたぶん脚本が良くない。女性として初の英国議会下院議長となったベティ・ブースロイドをテーマにしたミュージカルを作る市民劇団の稽古場が舞台。マキシン・ピーク演じるトキシックな演出家、メレディスを中心にドタバタありつつ作品を作っていくのだけど、ブースロイドはあくまでモチーフに過ぎず、物語の中心は劇団員たちで稽古場が舞台の軸。でも人間関係が掘り下げられるかと言えばそうでもなく、ミュージカルシーンはそれはそれで伝記物としてある程度のまとまりはあり、なんだかテーマがぼんやりしたままの一幕。
トラブルの末、二幕ではメレディスがブースロイド役を演じることになるのだけど、ブースロイドのキャラクターを固めず、メレディスの嫌な演出家のキャラクターを切り替えないまま役に入るので、これではブースロイドが嫌な奴に見えてしまう。
面白いなって思う部分も少なくなかったけど、製作チームは手堅いなと思っていたし伝記物ミュージカルを期待していたこともあって、全体的に消化不良な作品。観に行けてよかったとは思うのだけど。
楽曲は、How to Win Against History のSeiriol Daviesでした。