ど定番だけど、ひとしくんが今夜もざわさんを抱こうと優しく押し倒したら目を逸らしながら「お前さ、女の子を抱きたいと思ったことないの?」って言われて固まっちゃう話とか読みたい。
「は?なんですかそれ」
「いや、硬いだろ、男の身体なんて。ましてや俺みたいなの抱いてもよかないだろ…」
「意味分かりませんけど。俺が女の人抱いて、それでしょうたさんは嬉しいんですか?」
「…」
「…そう、ですか」
ざわさん一向に目を合わせようとしないし、ひとしくんもさすがに感情を抑えられなくてざわさんから身体を離して部屋から出て行っちゃう。
1人ベッドに残されたざわさんは自身の手で目を覆ってる。
泣いてなんかないやい。

酷いことを言った自覚はあるけど、言ってしまったことを今更撤回も出来ない。ひとしが本当に女の子を抱いてきっと柔らかいであろうその身体に触れたらもう2度と自分には触れてくれないだろうなって思ってるざわさん。切ない。
ベッドの上でぼんやりしてたけど、身体を起こしてリビングにそっと行ってみてもそこには誰も居ない。
出て行ったのか。それとも緊急の呼び出しか。
飼い猫の黒猫だけが「どうした?」って顔で擦り寄ってくる。
普段はクールなやつなのに、こういう時は寄ってきてくれるんだなって思いながら頭を撫でてあげるざわさん。
今後、ひとしと別れたらこいつはどうするのかなぁ。可能なら俺が引き取りたいな。あいつは現役ヒーローで忙しいだろうし、あいつのそばにはきっと誰かがいるだろうから、やっぱりこいつは俺が引き取りたい…って部屋のソファに座ってぼんやりするざわさん。
この部屋だって、出て行くのは俺のほうがいいかなって考えてたら玄関が開く音がするのであった…。

リビングの扉が開いて、そこには少し疲れた顔をしたしんそくんがいた。要請があったわけではないらしい。とりあえず無事な様子を見て安堵の息を吐くざわさん。喧嘩してそのまま…なんて考えたくもないことだって。
「…おかえり。……俺の言葉で嫌な思いをさせたならすまん。でも、俺は」
「俺は、しょうたさんに身も心も捧げるつもりでここにいます。叶うならしょうたさんの身も心も全部欲しいけど、しょうたさんがまだダメだって言うなら、良いって言うまで待ってますし、…待たせてもらいますから」
まっすぐざわさんの目を見てそれを伝えるしんそくん。強気だけど手が震えてるね。
これを伝えたくて寒い外を歩いて頭を冷やしていたみたいだけど、ざわさんを目の前にしたらやっぱり難しいね。
「女の人はいりません。欲しいと思ったこともない。俺が欲しいのはしょうたさんだけだから」

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