「正しい」には普遍性があるから、それだけ言ってればめっちゃ楽なんですよ。でも本当は個人個人がきちんと時間をかけて「腑に落とす」って作業が必要だし「相手に伝える」って、今、相手がなんでそんなことを考えてて、その考えは相手の思考の体系の中でどういった布置になってるのかを考え、どうしてそんな思考体系になったか、その人が生きてきた歴史や経験を想像し、【そこから逆算して】どのような【表現】をするかを工夫することなんだけど、SNSの言葉は「投網」だから。もうそういうことをする能力がどんどん衰えて。それでいつでもどこでも例外なく正しいことを言えばいいってコミュニケーションになっちゃってる。そのことがとてもつまらないし、どうなのかな。我々の大事なものをガリガリ掘り崩してると思う。
自分にとって特別な人が亡くなると、だいぶ前にがんで亡くなった父のことを思い出す。父とはそんなに仲良しでもなく、むしろ怒りっぽいし好きではなかった。子供ながらに、この人はタバコも酒もやるし偏食だから長生きしなさそうだとも思っていた。でもまあ悪人ではないし、音楽の良さを教えてくれたのは父だし、やはり特別な人ではあった。アベが亡くなった時も相当ショックだったけどまだ父は生きてたし、あんまりよく分からなかった気がする。その時は死を今くらい実感はできなかった。後から母にも言われたが、私に死を最初に教えてくれたのはやっぱり父なのかな、美談とかではなく。ミッシェル・ガン・エレファントの人のことを家族のことと交えて話すのはおかしい気もするが…
でもこないだ朝まで話した友人が、Twitterでその話をしてくれているみたいだから、そこだけ楽しみにTwitterに行ってくる…
ヘイト本について
KADOKAWAは中韓ヘイト本を何冊も出しているので、LGBTヘイト本を出す方向に舵を切ったことに関して実のところ驚きはないです。
トランスヘイト本(陰謀論本)をわざわざ和訳して出版しようとしていることは許しがたいし、私も抗議の意見を送りました。
けど、これは今まで中韓ヘイト本が出版されまくってきた末の結果だと私は思っています。その積み重ねを無視して「まさかKADOKAWAがヘイト本を出すなんて…!」みたいな反応をするのは、あなたはずっと中韓ヘイトを無視してきた(そして今も注視していない)んですね、と捉えられても仕方ないと思います。
私は、母方祖父が中国人で父方義祖母が朝鮮人というルーツを持っているんだけど、物心ついた頃から私らに対するヘイト本が本屋に並んでないことの方が少ないので……。長年、主に中韓に向けたヘイト本の出版が許されて、そのヘイト本が売れてきました。その差別の歴史を無視した発言(投稿)はしないでほしいです。突然起きたことでも、今回だけの話でもないんです。
繰り返し書きますが、私は今回のトランスヘイト本の出版には反対ですし、抗議も批判もします。ただ、この件を「(KADOKAWAが出す)初のヘイト本」のように言うのは、別のヘイト本による被害を軽視していると言いたいです。
ほぼ生活、ときどき音楽を聴く、映画などを観る。お酒が好き。FXをやっている。LDHのことを気にしがち。she/they