「インクルーシブ(社会的包摂)って何だろうね?」と思った3/20の出来事のこと。以下長文です。
①おチビと(ショッピングモール内の)ゲームセンターで遊んでいたら、目が見えづらい少女(15才くらい?)に出会った。Aさんとする。Aさんは、杖をついて歩いていて最初は母親と一緒にいたのだけれど、気がついたら母親がいなくなっていた。私とおチビがAさんに話しかけると、「お母さんは後からくる」とのこと。Aさんは、おチビと同じくアイドルゲームが好きらしい。私とおチビはAさんと一緒にアイドルゲームで遊ぶことにした。おチビが集めたカード(お洋服)をAさんに貸すと、とても喜んでくれた。ちなみに最初はカードケースごと渡したのだけれど、見えていないようだったので、好きな色を聞いて(ピンクが好きと教えてくれた)、ピンク色でコーディネートされたカードを貸した。「ピンク色のトップスとスカート、ピンク色のリボンのついた靴、そしてカチューシャだよ。とっても可愛いコーディネートだよ」と私が言うと「本当?嬉しい!」とAさんは笑顔で答えてくれた。
③ その後Aさんに、「この後はどうするの?」と聞くと、「お母さんと本屋さんにいく約束をしている。お母さんに電話してみる。」とのこと。目がほぼ見えていないAさんは、どうやら音で判別して(?)電話番号をうちこみ、母親に電話しようとしている。けれどもうまく電話をすることができない…。私は「何か困っていることはある?」と聴いてみたけど、Aさんは「大丈夫。」と答えるのみ。そこにちょうど5mぐらい先にAさんの母親の姿が見えた。私は思わず手を振って「ここです!ここにいます!」と声を出した。Aさんの母親が気づいてくれて、無事にAさんと母親は再会できた。私はホッとした。Aさんも「焦った〜良かったぁ。」と安堵していた。
Aさんは母親に「お姉さんとお友達になったの」と嬉しそうに言った後、私に「お友達になってください」と言った。私は「お友達になろうね。」とAさんと手と手を合わせてタッチした。おチビもAさんとタッチした。そうして「またね」と言ってお別れした。
(ちなみに余談ですが、私はお姉さんではなく正真正銘アラフォーのおばさんです…笑)
おチビは私に「良かったじゃん、お姉さんの役に立てて。」と言った笑 ちなみにチビは6歳なので、あんまりよくわかっていない。人の役に立つのは嬉しいことだと、おチビなりに思っているみたいだった。
④ Aさん達と別れた後、私はAさんの母親のことを考えていた。Aさんから離れて少しだけ1人になりたかったのかな…と。一般的には15歳の少女なら、1人にしてかまわない年齢。たまたま娘の目が見えないことで(多分他にも障害がある)15歳になっても手厚くケアし続けている母親。大変だよな…と思った。私には、(勝手な想像かもしれないけれど)母親が余裕がなさそうに見えて、それが切なかった。Aさんの幸せのためにも、Aさんの母親にももっとケアが必要なんじゃないかと思った。AさんやAさんの母親と「ともに生きる」ってどうしたらいいんだろうか。ソーシャルワーカーとして、すぐに支援が思いつくような人になりたいとも思った。(ちなみに私は試験には合格したけれど、実務経験はまだない。)
そして(今回私はたったの20分くらいAさんと一緒にいただけだから、大したことは何も出来なかったのは仕方ないけれど…)「共に生きていける人」でありたいと改めて思った。「ただそこにいる」ことの大切さも感じたりした。こんなに長文を書いたのに結局まとまらないや。ソーシャル・インクルージョン…まだまだ私にはわからないことばかり。Aさんにとっても、Aさんの母親にとっても、私やおチビにとっても、少しずつより良い社会になっていけばいいな。学び続けたいし、考え続けたい。
②ゲームの最中、目はほとんど見えていないはずなのに、Aさんが音や光?に反応しながらプレイしていて、なんだかすごいなぁ…と生命力を感じた。Aさんはゲームが終わった最後に(ランダムで)出てくるカードのことも良く見えていないようだったので、「とっても綺麗な色のドレスのカードが出たよ」と伝えると「やったぁ」とすごく嬉しそうにしていた。
Aさんが言うには、以前はもう少し目が見えていたらしい。その時の記憶を頼りにゲームをしていたのかしら?と私は勝手に推測したりした。そして目がほぼ見えていなくても、やっぱりカードは集めたいんだなぁ…と思って、(いわゆる)普通の子(※)と同じだなと思った。「人生を楽しむ権利、幸せに生きる権利、好きなことをする権利は誰にでもあるんだよな」と…当たり前のことなんだけど…改めて考えさせられた。
※)普通の人って何…ということについては、難しいけれど、今回の場合は障害のない定型発達の人という意味です。