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第2話

このドラマは、価値観の衝突に対し、笑いという緩衝材を入れることで、「正しさ」と「おもしろさ」を両立させている。冒頭のお見合いシーンで、寅子のお見合い相手の太一郎は、「結婚相手とはさまざまな話題をともに語り合える、そんな関係になりたい」と言う。それを聞いて自分の意見を述べる寅子。ところが、寅子の知識が太一郎を上回ろうとした瞬間、太一郎は「分をわきまえなさい、女のくせに生意気だ」言って立ち去る。寅子が対等に尊敬しあえるかも、と感じた太一郎も、結局は女性に知識で負けるのが許せなかったのだ。そのことに寅子は気付けず、太一郎の言葉を言葉どおりに受け止めてしまった。この寅子の周囲とのズレがこのシーンに笑いをもたらす。さらに言えば、このズレは現代の視聴者においては寅子の方が普通で、周囲の人間の方がズレていると感じるだろう。このような複層的な構造がこのドラマのおもしろさを形作っている。

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