"自由黒人というアウトサイダーを主人公に奴隷制の暗黒面を見つめた点は、「アミスタッド」などの黒人奴隷を扱った過去作とは異なるこの映画の最大の個性だ。マックィーン監督は、白人でもなく奴隷でもないニュートラルな立場のソロモンを観客代表のように描き、人権を持たない奴隷の境遇に対するソロモンの驚きや屈辱感を我々に追体験させる。そして、サディスティックな農園主のごとき独裁者が支配する社会で、ソロモンと同じように自分の知性を隠し、ひたすら頭を低くして今日を生き抜こうとしている人々が、今もこの世界にいることを思い起こさせる。物語の舞台は19世紀アメリカだが、実は現代的かつグローバルな視野を持つ。そこにクレバーな魅力を感じさせる映画だ" https://eiga.com/movie/79401/critic/