それはそうと、この本はとてもよかった。
SNSで複数の方がおすすめされているのを見て読んだのだけど(ありがとでした!)、私もおすすめだと思う
学校が教えないほんとうの政治の話(斎藤美奈子・著)
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480689665/
政治に関する話題を(特にSNSで)見聞きするときによく出る左派/左翼と右派/右翼って何なのか、共産主義や社会主義の反対は資本主義であること、「反共」がどこからきているのか、個人主義と全体主義って何なのか、国益を重視するというのはどういうことなのか、(自民党がしたいと言っている)改憲はどのように動いてきたのか、みたいなことが、これまでの経緯とともにとてもやさしく書いてある。
おもしろいのは、ある事象を解説したあとに「この事象について、(スタンスが)Aサイドのひとは『・・・』と言います。(スタンスが逆である)Bサイドのひとは『・・・』と言います」というような記述があること。
SNSなどで対立する言説を見ることが多い今、この記述があることで「これ見たことある」的にスッと入ってきやすいんじゃないかなー、おもしろい構成だなと思った。
QT: https://fedibird.com/@muku_dori_dou/113637960302041831 [参照]
全体的にとてもやさしく、多くのひとに読みやすいだろうものになっている分、説明がそぎ落とされているものも少なくないと思う。
だから、こういうことにすでに詳しいひとには物足りないだろうし、そぎ落とされていることが危うさを生むんじゃないかとちょっとひやっとするところもないわけじゃないと私自身思うところもあった。
でも、SNSなどで流れている根拠のない言葉やYouTubeで大量に流れ込むでたらめを「なんとなく」飲み込んで自分のものにしてしまうよりは、これ読んでほしいと思った。
2016年に書かれたものなので、状況は今とは変わっているところもあるけど、内容は全然古びていない。
余談だけど、この本が書かれた当時の状況として「民主党は維新と合併して民進党になって」みたいな記述があり、「歴史、繰り返してる〜」と思った(繰り返させたくないね〜)。