VDブラッドリーカドスト
ムルから「男女問わず虜にしてきた男」と評価されながら、北の国で求愛の証とされる白い花を晶の髪に挿して「白い花を誰かにあげたのか、 もらったのか」の真意を答えなかったブラッドリーって、
彼もまた男も女も関係ない魔法使いのひとりとして描くのにこれほどの方法なかったよなと思う。
(これは彼が美女と財宝を並列にする男であることを拭い去る意味とかにはならない。「身内」に優しくて情に厚いこと自体、表徴の一つであるとすら言えてしまうので)
「誰かに惚れられたことも、惚れたことも俺だけのお宝だ」
と詮索を退けて、開示を避けているのも好きだけど。晶がどちらでも選択可能で、どちらにでも花を手向ける人だと読めるからこそ、「誰か」の対象が広がりを持った展開になっている。
また、今回は求愛するオス・メスの動物の行動が描かれる中で(オリヴィアにしたように)「口説いて見せてよ」という要請がムルからなされた時に、
「俺が口説きてえと思うような魔法使いになって出直して来い」
と返しているから、全編通してそういう息遣いのあるカドストだったな…と。