遅ればせながら「ラストマイル」観た
ホラー映画じゃないけど、始めからずっと薄ら寒さがつきまとう、すさまじい映画だ。
五十嵐も含めてみんな搾取の構造のなかで、導火線に火がついた爆弾をたらい回しにしている印象。
でも立場が下にいけばいくほど爆弾から逃げる選択肢がないという。
「そんな根性なら、ない方がいい」
この台詞単体でもとても良いなんだけど、
中堂(婚約者を亡くして、その死の真相を明らかにするためにずっと奔走していた)の「たいした根性だ」を受けて、
ミコト(自分以外の家族を一家心中で亡くした過去を持つ)が言うって流れがね…言葉に重みがある…
配送業者が連携して、値上げの交渉が成功したはいいけど、20円しか上がらず、会社からすると160億の“損害”(※1回しか見てないから文言違うかも)と言い放ってしまうのも、ハッピーエンドに終わらない後味の悪さがある。
あと思っていたより「アンナチュラル」や「MIU404」のメンバーが活躍するんだなと思った。
宣伝とドラマファンのおかげで、この映画が大ヒットになっていることは喜ばしいけど、
この映画を見た人が行動に結びつかないと、それこそ意味がない、共犯者になってしまうよな…と自戒を込めて思う。