そういえば。
今日は昼間にやっと『族長の秋』を読み終えた。最後の方は続きが気になる不思議な感覚に陥って、帰りの電車とかでも読んでたし、帰宅してからも本の続きが気になって仕方なかった。途中までは気だるい感じだったんだけども。
それから本の最初のページに戻って他の短編を読み始めた。知ってる短編もあるけど、折角なので読み直してる。
G・ガルシア=マルケス、本当に不思議な文章を書く。物語の内容は殆ど理解できないんだけど(多分、政治的な何か……制度とかなのか、何かを訴えてたり、当時の国のことを暗に示したりしてるのかもしれないけど、知識がなさ過ぎて理解ができない)、文章が表現するその世界を頭の中に描かせる解像度の高さがすごいなぁと思う。
タマリンドの木陰、海のにおい、牛の糞に排泄物や腐った何かのにおい、暑くて気だるい空気、様々な営み……、現実的な色んなものが、非現実的なものと一緒に並んでて、本当に不思議な世界。
地の文章も目まぐるしく語り手が変わるのは、やっぱり、なんとなく私は家族で話してる感じに近いものを感じる。今までAを話してたのに、突然Bの話をして、Aに戻ったと思ったら、Cに話が飛躍し、Bに戻る、みたいな感じ。とりとめがないようで、なんとなく、語り手と同じ空間に常にいる感覚で、親しみを感じる不思議な感じ。