海外からの人たちが介護を担って老人の世話から解放される人がいることも気に入らないし、保育を担って子育ての負担が軽減されることも気に入らないし、福祉に携わって障害者の助けになることも許せない。解放された人たちが自分とは別のやり方で社会参加してしまうからだ。
同時に海外からの人たちが自分たちと同じ苦労を経験して社会的な地歩を固めた場合、その人たちは本来であれば彼らと同じ地位を得ることになる。そうなればいよいよ別の文化、別の価値観がこの社会で発言権を得ることになる。当然排外主義者は気に入らないだろう。だからあらかじめ海外からの人たちの人権を制限しようと考える。
排外主義は外部からくる文化の多様性と日本人の中に発生する多様性という2つの多様性に対する嫌悪から成り立っている。 (2/2)