“高校に盲目のギター侍みたいなのが来て下手な歌を聴かせる会があったんだよ。下手なもんは下手だし曲もつまらなかったので「この人が目が見える人だったらお前らこの歌聞くか?」という問いをもっと過激な言葉で問いかけたところ大変問題になった上にご学友たちからもドン引きされる事件がありまして、それから約20年後くらいにそん時に泣いて感激してた連中にその話したら誰も覚えてなかった。そんな人来たっけ?だった。わたし今でもその歌手の名前も顔も覚えてるしその人が歌いたい気持ちはその時も今もわかるよ?歌はゴメン覚えてないけど。
わたしが16歳のメンタリティで怒り狂ってたのは盲目の彼を慰み者にする同級生に対してよりも人生を売り物にする彼に対してだった。音楽に対する冒涜だとも思った。もっと頑張れよクソがみたいなことを吐き散らしてえらい怒られた。
今は16歳の自分を傲慢な馬鹿だと思うけど全否定は難しい。20年後誰も覚えてないことを確認したからね。20年後誰も覚えてないことがわかってたら拍手くらいしてやればよかったって思う。”