ミシュキン脚本・監督・助演『狼と子羊の夜』(2013年、タミル語)観ました。
すんばらしかった……!! 地獄のことをちゃんと「地獄です」って言っている映画で、わたしも地獄のことを地獄ですって言い続けよう……と思った……。
夜のチェンナイ市街、医学生チャンドルは道端で撃たれた男を見つけ、病院に連れて行くもたらい回しにされて、警察でも急患なのに待たされ、居ても立っても居られず自分で手術してしまうが、縫合が終わって眠り込んだら男はいなくなっており……ということから始まるスリラー。病院や警察がクソなの、地獄や……ってなるし、チャンドルが助けた男は実は警察に追われていたのだが、チャンドルは逃亡幇助ということで拘束されて、助けた男(ウルフ)を撃ってこいと言われる……というのももうクソ。正義と悪、権力と弱者が二転三転し、なんだかんだチャンドルはウルフと逃げることになる。チャンドルが走る場面が良い。まっすぐな青年が、社会のひずみに落ちたひとびとに出会い、強靭に変貌していく、という箇所が見せる。
音楽の使い方やシーンの切り取り方は、たぶん日本人にはウーン感覚の違いや……ってなるんだけど、チャンドルどうなっちゃうのー!って思っているうちに、社会の地獄な真相が明らかになり、そのなかで労りあって生きるひとびとに涙する…

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