#すずめの戸締まり を観た。なんだか、『君の名は』でやり残したことをしようとしたのかなと見終わった時に思った。『君の名は』は災害には向き合っても、死者や取り残された人々に向き合うことはできなかった。それを今回は真正面から取り上げようとしたのだろう。
以下ネタバレを含みます。
物語としては正直なところ、『君の名は』『天気の子』と比べると見劣りはした。序盤にすずめが廃墟の扉を開けてしまうところまでの展開は無理やりに感じた。最後まで観ると、すずめが初対面の草太に惹かれ、廃墟までついてきたのは必然だったことは分かるのだけど。また、基本的には扉を閉めて鍵をかけるというアクションの連続であり、結果的に現実社会では何も起こらないので単調になってしまっているきらいがある(『天気の子』では東京をまるごと沈めたというのに)。また、「災厄を回避するために誰かが犠牲になることを許容するかどうか」という、『天気の子』で描いたテーマが今回はいやに軽く扱われたようにも思えた。物語の鍵を握るダイジンについても、もう少し深く掘り下げないと分かりづらいのではないだろうか。などなど、挙げようと思えばこの映画の不満に感じたポイントは山ほどある。ただ、そういうこちらが物足りなかったり、不満に感じたポイントは制作人にとってあまり重要視していないのだろうなと観ていて感じた。
などなど、他の人のレビューを読んで感化される前に一切の情報やレビューを仕入れずに感じたことを書いてみた。さて、レビューを読みあさってみよう。