甘い言葉とか、遠い未来の約束は渡してやれないけれども、こいつが助けが欲しいと呼んだなら風のようにその場に駆けつける。
それは、出会ってそんなには経っていなかった頃に自分だけに課した約束。
差し出した手を振り払われなかった、男との経験など皆無だったくせに、やけに神妙にベッドの中、たぶん本人さえ初めて聞くだろう声を寄越した。
耳に流し込む、その時だからの戯言まがいの睦言に静かに微笑んで、そしてあられもなくふしだらに乱れる。
その姿を許されているなら、呼び方など友でも恋人でも構いはしない。
苗字か名前か、同じ音なのに響きでどちらか判るとニヤリと口許を歪めて、今宵もまた、ただれてぐちゃぐちゃで歪で、でも失いたくない一夜を繰り返す。
この背に残される爪の痕が消えて、こいつが締切のプレッシャーから解放されて、少しばかり羽目を外したくなった時に電話のベルが鳴る。
あとどれ位を数えるのを止めて、曖昧なまま繰り返す。
素面で愛を囁いたら、冗談めかして解散になりそうな、この思いに名前は要らない。
安定の似非ポエム(推敲無しの一発書き/イメージというか視点は学者先生/これってセンシティブ扱いになるのかな?)

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本当に風のように来た人だ……(笑)
私たちは作家の思いしか見えないけど、失いたくないのはお互いそうだと思うんですよね。

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