柳田国男博士が、黒い円形のボール紙のようなものを取りだして、しんとくに言う。
《これを、ぴったり壁に貼りつけると、そこから壁の向こうへもぐっていける。これ一つで、世界中に出口ができる。ゴムのように、のびちぢみ自在、持ちはこび自在、こうして、小さくたたんでのぞき穴にすることも、床の上にひろげておいておとし穴にすることもできる。ホラ、こうやって、地面におくと、それでもう、下へ降りてゆくこともできるのだよ。》――寺山修司『身毒丸』
#寺山修司 #身毒丸 #壁抜け男
なぜ、折口信夫ではなく、柳田国男を出したのか
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