柳田国男博士が、黒い円形のボール紙のようなものを取りだして、しんとくに言う。

《これを、
ぴったり壁に貼りつけると、そこから壁の向こうへもぐっていける。
これ一つで、
世界中に出口ができる。
ゴムのように、
のびちぢみ自在、
持ちはこび自在、
こうして、小さくたたんで
のぞき穴にすることも、
床の上にひろげておいて
おとし穴にすることもできる。
ホラ、こうやって、
地面におくと、それでもう、
下へ降りてゆくことも
できるのだよ。》――寺山修司『身毒丸』

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なぜ、折口信夫ではなく、柳田国男を出したのか

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