あきれたというか、笑ったというか。
『あたしのビートルズ』を読み直そうと本を開いたら、鄭と桂は6畳ほどの安アパートに暮らす若い夫婦という関係だった。いったい自分は先の初読で何を読んだのか。夫が妻を強姦して殺害?
とりあえずの設定では、鄭は演出家か何からしい。彼の書いた脚本の中で桂は本を読む役を与えられていて、目下の『あたしのビートルズ』中で彼女は本を読むふりを続けている。
やがて日本人(という名の男)が登場して、鄭を爆殺するつもりであることが明かされる。
鄭、桂、日本人の3人の会話から、鄭による桂の殺害は明日おこなわれ、日本人による鄭の爆殺は晴れた日曜日の白昼、その条件にあえば明後日おこなわれることがわかる。爆殺の動機もわかって、それは朝鮮人である鄭が日本人である桂を強姦・絞殺したことにたいする日本人(という名の男)の復讐である。
以上、ほとんど憶えがなかった。
何をしてるのだ、俺。理解できないものばかり追いかけて、そのせいで記憶にも残らない。