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《子供の頃 あかい夕焼の路地を追いかけっこしていってそのまま一生追いかけっこの鬼で通した男 それが おれですよ》――寺山修司「青森県のせむし男」

天井桟敷の第1回公演が「青森県のせむし男」(1967年)。
大正家の息子が女中のマツをはらませる。
世間体を恐れた大正家はマツを入籍させるが、マツが子を産む前に息子は旅先の上海でコレラにかかって死ぬ。
マツが猫の子を産んだとして、子は殺されることになるが――

《本州の北の崕、暗く侘びしい青森県に棲む母と子というイメージを提出することによって、寺山修司はここですでに「寺山修司という物語」のための布石をしているのである。何のために? 運動に偽の中心を与えるために。(……)寺山修司という虚構を真正面に打ち出すこと、それが寺山修司の戦略だった。》――三浦雅士「寺山修司を記述する試み」

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