上の引用は、天井桟敷「レミング」の制作と上演について書いたものの一部。
たんに「他者」で済みそうなところを「レゾートル(外部の人)」としてるのが気になって調べてみると、脚本J・L・ボルヘス+A・B・カサーレス、監督ユーゴ・サンチャゴの「Les Autres」という映画があり、エディンバラ映画祭で見て刺激された寺山は、サンチャゴ監督から送ってもらったシナリオに基づいてこの映画を論じたという(『夜想#16 特集・ボルヘス/レゾートル――はみだした男』)。寺山の使った「レゾートル」はこの映画に由来すると見ていい。
映画「Les Autres」の主人公スピノザの台詞。
《息子の死後、私は一人の人間から他の人間に変わった。それから、また別の人間に。私の存在は何の意味もなく、すべてが向こうからやってきて、私を奪い去った。とつぜん、私は他人になった。》――山崎剛太郎訳
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