感想続き
ラストシーン、登場人物がほぼ勢揃いして盆が回っているところ。
歌われる歌詞が、「一人ひとりの声が歴史を作っていく」というようなものなので、8年ぶり待望の再演、その8年の間に世界はあまり良くならなかったよ、と思って泣けてしまった。
もっと言うと悪くなったことがいっぱいあった。長期政権で教育から壊した首相がいた、その人は恨まれて殺され、スタグフレーションは進む一方で治安は悪化してる。米国ではドナルド・トランプが大統領になったと思ったら国会議事堂が襲撃され、ヨーロッパでも戦争がありその影で話題にもならない紛争地域がずっと前からあると言われている。私の知らないことももっとたくさんあるでしょう。歴史の中でどんな個人も生きていく、誰を愛することに他者の許しはいらないと歌う人たちを見て、8年で何ができただろう人類は、と思ってしまった。自分も何ができたわけじゃないけど。なんかきつくて……
これも2023年の状況と2023年の私だから感じたことなのでしょうけれど。どこかに持ったまま(普段は忘れてるにしろ)生きていくしかないからね。
感想じゃない余談
公演について紹介する番組(たしか「ステージドア」の終盤)で潤色・演出担当が二幕の客席降りのことを「マジョリティが意見を表明するために銀橋へ」というような表現をしているんだけど、フランス革命前夜の平民ってマジョリティなんです?絶対数で言えばそうだけど、三部会で不当な扱いを受けている(議席数で勝っているのに聖職者&貴族VS平民の構図になるので絶対に勝てない・要望を通すことはできない)と劇中で描写してるわけで。その権力勾配があってもマジョリティという枠なのかな?その認識で(英語の原義とか?)作ってるってこと?というのは疑問に思った。
いやこれは私はカジノ・ロワイヤルでマジギレした所為かもしれませんが……この演出家に対して警戒レベルが上がってて……ははは……