(続き)→ 本書前半は、沖縄のニライ・カナイと伊江島の天上世界オボツ・カグラを比較。
後半は、出雲の根の国やアイヌの異界ポナク・モシリから、ハワイのハワイキ信仰、ケルト神話にギリシャ神話、さらにはピラミッドから韓国・済州島の洞窟までを俎上に上げ、それぞれの信仰や死生観を考察します。
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著者は琉球文化研究の第一人者・外間守善氏。
世界各国の「原郷信仰」を追い、それらを生んだ古代人の心の内を探る著者の姿は、諸星大次郎や星野之宣の伝記漫画の主人公のよう。
沖縄・日本・世界のミステリアスな「他界観」が見事に繋がってゆく様子に、読者もドキドキさせられる事でしょう。