ザ・クリエイター感想続き
まぁその「キターーーーーー!!!」で今回は圧倒的弱者が蹂躙されて泣き叫ぶので、ゴジラ映画的な破壊の爽快感は皆無で私は始終ため息つきながら見てたんですけども。
細部のアジア趣味が成功しているようには見えなかったけど(むしろノイズだった)逆に、映画全体の雰囲気は嫌いじゃなかった。
というのも、アジア色が押し出されているのは、西側諸国が続ける攻撃の欺瞞や、AIを道具として利用することへの倫理観を揺さぶるためでもあるんだな、と感じたので。
現在進行中の「対象地域に住まうものを全員敵と見做し圧倒的な軍事力をもって無差別攻撃をおこなう行為」=虐殺をとめられないなかで見ると、「西側」に近い人ほどずんと胸が苦しくなるような映画だったとおもう……でも西側の啓蒙のためにアジアが利用されるのをヨシとも思えないので悩ましい点ではある。私はそんなに気にならなかったな~という話でした。
この映画、どうやら興行成績は芳しく無さそうなんだけど、そりゃそうやで。SF映画的なものに通常求められる爽快感が皆無だもん。こんなんよく撮ったなあ……。
ザ・クリエイター感想続き・2
しかし本当に脚本はなんじゃそれなところが多くて、冷静になると「もうちょっとどないかならんかったんかい?!!」ってなる。
なるんだけど、映像の説得力がほんとうにやばいくらい凄いのと倫理観がちゃんとしてるのとで、なんか「ま、いっか」ってなる。
脚本が始終むちゃくちゃなのに130分魅せるってのがなんかもう凄いよ。久々に観たわこんな映画。