honto.jp/ebook/pd_33791758.htm
吸血鬼はパリピ男子が趣味じゃない/びーたま

吸血鬼攻、パリピというか明るく元気なあほのこ受。
高貴で耽美で居丈高な攻は、げんきな受に抗えずにぐいぐい引っ張られるものの、種族の違いにより苦悩する……という定番で手堅いやつ。だからこそ、ギャグセンスとキャラ造形で勝負されてますね。
力強い絵柄と丁寧な運びがちょっと今風ではないかもですが私は好きです。安定。
ラブコメの、コメを通り越してギャグなやつが、多分私はとても好きなんだろうな……
最終話がちょっと唐突だしこの後大丈夫かなという感じですが、1冊完結ものBLあるあるってことでいいか……とギュッとめをつぶりました。その後のたまねぎ和装とシャツが可愛かったし。
試し読み部分で「おっ」となった方はそのまま買うと一冊楽しいと思います。
話と話の間のすきまページのカット好き。

honto.jp/ebook/pd_33744671.htm
究極×××のつくりかた/鰐淵

大人のおもちゃレビューブログやってて大人気の本業サラリーマン(美人受)と、おもちゃ開発会社の攻。
組み合わせ的にも流れ的にも商業BLでは珍しくはない感じですが、これは面白かったです。
しっかりめの描線で、主人公のコンプレックスや鬱屈をじっとりと描きつつも、読み心地のテンポは軽やかで、独特の風合いの笑いどころを随所に入れてくる、絶妙な一冊でした。
立体駐車場とサボテンすごく良かった。サボテン本物ちらっと出た時に気が散りすぎてしまった。
恋人ができたらおもちゃは必要ないルートもあっただろうけど、おもちゃ文化を愛し続けるエンドだったのもキャラに合っててよかったです。

honto.jp/ebook/pd_33744688.htm
シュガードラッグ3 /頼長

倫理的によろしくない非合法な研究所の凄まじい天才とその助手による駆け引き多めのよろしくないBL、3巻。
2巻からメインの二組目のカップリングが、3巻で無事完結。表紙は三人だけどどうかな……と思ってましたが、三人交際と相成りましたな!
一組めよりもさらに非合法で非人道的でよろしくないですが、ぐちゃぐちゃの感情と生存をかけた位置取りのバランスが拮抗していて絶妙な甘さと甘くなさが魅力というか。(一組めは物理的に甘くしてましたが)
前も「これは好きだけどオススメはしづらい」と書いた気がするけど、さらに磨きがかかっているので……オススメはしづらいです。が、抗いがたいなにかに絡め取られてもっと読みたくなっててほんとによろしくない。

2巻3巻の攻、好きなんですけども「ハルヒシリーズで実際のところ一番ぶっとんでるのはキョン」みたいな感じの好きさなのですごく微妙。

honto.jp/ebook/pd_33737526.htm
田辺さんがころんだ /阿部あかね

作者買い。ベテラン作家さんですが幻冬舎ルチルは初とのこと。
この方の描く受さんはわりといつも、かなり明後日の方角に性に積極的で一本気なことが多くおもろかしいのですが。
今回は、相方がブレイクしてしまい仕事がなくなったお笑い芸人が攻、攻がぼんやり帰った地元の青年(攻の超ファン)が受です。
山と田んぼと家畜とがわやわやして、わりとおだやかな感じに親交が深まり、受には恋愛的に好きな別の人がいたりで、ずいぶん今回ドラマティックだなと思ってたら。
結局は明後日な方角にビッチ大爆発で、でもそれなりにドラマティックは継続して盛り上がっていったので新しい面白さでした。

ベテラン作家さんの「いつもの」の味もいいけど、味変でいいのが出ると「こういうのもっと」となるね。欲張り読者だ。
ルチルの担当さんによる調味もあるのかなー。またこういうの読みたい。

honto.jp/ebook/pd_33693969.htm
どの口で運命とか言ってんだ/新藤伊菜

霊を払える受と、なんか浄化しちゃうけどトラブルに巻き込まれた攻……という心霊系BLは、同じパターンの作品がいくつか思い浮かぶ程度には定番ですが。
こちらは「霊のインパクトがすごい」「お祓いっぷりがすごい」「なんだかんだいい話に持ってってるのがすごい」という、なんかすごい一冊でした。
BL的に萌えるかどうかはまぁ私には普通だったんですが、霊すげーな……で楽しく読みました。怖くはないです。ないかな。ないと思う。
もしかすると少年漫画の才能のほうがあるのではないかな作者さんは……絵柄はBLだけど……

honto.jp/ebook/pd_33727633.htm
もう少しだけ、そばにいて/白野ほなみ

学生時代に知り合い恋人になった相手がその後、交通事故により下半身不随に。一緒に暮らすふたりは一見明るくハッピーに見えても、実際は色々と歪が生じてきて……。
割と最近いい雰囲気の車椅子使用者のBL作品がありましたが。
こちらの作品はさらに踏み込んだ描写が多く、不便さの部分だけでなく肉体的な排泄処理や病状、後遺症がしっかり描かれていました。
社会制度が完全ではないことと、パートナーシップ制度についても背景で触れていたり。
新社会人として働きながら全力で恋人を支える主人公と、一緒に暮らす恋人とで、わりとよくある「依存BL」方面に舵を切ってもおかしくない流れを、頑張って頑張って当人たちのちからと相互理解で前向きに未来へ向かいますよという物語にしててよかったです。
重かったけど暗くはなかった……けど疲れてる時読むと多分泣くので(己の無力感とかに)げんきなときに読みましょう。

honto.jp/ebook/pd_33631210.htm
楓くんを寝取らせたい/藤峰式

NTRかー浮気系かなり上手く作ってくれないと無理なのでどうかなーでも藤峰式作品は全部買ってるしなー(つまり作者買いです)
と頑張ってチャレンジしましたが、ぜんっぜんだいじょうぶでした。大人のおもちゃで寝盗られ体験にチャレンジするアホエロでした。
突然NTRに目覚めた攻、でも人間相手は無理……!ということでおもちゃで感じちゃう受にNTRみを感じよう!というスタート。
コメディだなふふふと読み進めると、だんだん……だんだんとおもちゃが……おもちゃのタカシがいい人(人ではない)になっていって……
最後まで真剣におもちゃの存在を大切にしたアホエロコメで楽しかったです。
脳を楽にしたいときに読むといいですね。あと真剣に相談に乗る脇役たち(タカシを知ってる人も知らない人も)が非常によかったです。

honto.jp/ebook/pd_33591248.htm
いとしいぼくら/夕倉アキ

作者買いでしたが、表紙見て???ってなって試し読み見て更に???ってなりました。普段綺麗でかわいい感じのBLが多かったのに、受さんが絵柄的にかなりギリギリ攻めた感じの「可愛くも美しくもない」という外見だったので。
うっすらぽっちゃりしてて、顔立ちは地味で目は小さく、肌も綺麗じゃない描き方で、自信がなく卑屈な男子高校生。途中で痩せて綺麗になったりは他の漫画でもよくあるけど、今作はそれもなかったです。イメチェンイベントはあれども劇的に外見が変わるとかではなく、彼の心の変わりようが表に出た感じの描き方だった。
最初のうちは「これはよく担当さんがキャラデザOK出したな……BLで……」と思ってましたが、これはしっかり物語のための妥協のない外見なんだなという内容でした。
丁寧に熱を込めた、ルッキズムに抗おうと苦しむ少年少女の話だった。強かった。戦おうと決めた彼の叫びは一緒に泣いてしまった。
でも、同時にハピハピラブラブな男子高校生BLの典型フォーマットがっつりだったので、その両立っぷりもすごかった。

honto.jp/ebook/pd_33381057.htm
番長! 神絵師コイツです!/キヨヤス理解

タイトル、何……? 表紙もこれBLなんか……? ってなって試し読みを読みましたが、個性的で熱があってよかったのでそのままポチりました。Cannaはキレイめ・人外・おされが多いのに時々鬼才がぴょんと出るよな。
片思い相手(幼馴染で番長)をモデルにした男子とヒロインの少女漫画をこっそり同人誌で描いて片思いを昇華している男子の話。コマも設定も濃いめで、でも読みやすくて楽しかったです。続きも出るようで楽しみ。

honto.jp/ebook/pd_33397913.htm
ミドルエイジはやさしく愛したい/町屋はとこ

45歳イケオジ✕45歳美オジ。
片や旅行業、片や飲食業、コロナ禍で職を失った最中の旅先でたまたま出会った45歳ゲイ同士が恋人になる話。
出会いはトラブル&意気投合で運命的でしたが、その後はお互い長く生きているせいで出てくる自分の駄目な部分との戦いが、それぞれ繰り広げられます。駄目な部分がどちらも本当になんというか地に足のついた“解る”ダメさで、同年代として「あぁぁ~ 勢いで行っちゃえばいいけどまぁそうもいかんよねぇぇ」となる。
みっともない恋路が丁寧で、ハピエンが夢のようでとてもよかったです。
コロナ禍で失職→マスク着用でデート→元の仕事とは違う勤務で疲労、までがめっちゃ現実だったのでね……最後がハッピーなのは全然ありですわ。長生きしてほしい。

最終電車の恋人たち/ダヨオ
honto.jp/ebook/pd_33333628.htm

安定の作者買いですが、主人公もお相手も41歳サラリーマンでよかったです。(そこか)
各エピソードや過去は比較的サラッと描かれているし性的描写はキスまでだけど、この人はこの人が好きなんだなというのがしみじみ伝わってくる穏やかな一作でした。疲れたサラリーマンは描写していても、41歳でおっさんだという誇張描写はないのもいいですね。
あと、同性婚したい→デモ行って美味しいもの食べよう、というのもよかった。

葬思相愛 1 /日尾ねり
honto.jp/ebook/pd_33216725.htm

葬儀会社の跡取り息子と、同じ会社勤務の恋人のコミカルなお仕事漫画。絵はそんなに達者じゃないけど、漫画の邪魔にはなってないのでいけると思う。
お仕事5割、葬儀にまつわる人情4割、ボーイズのラブ1割かな。お年寄りの死とその家族が多く、そこは現在の制度による家族しか描かれてないです。
仕事と葬儀の話がほとんどで、きのう何食べた?くらいの感じなので、BL漫画です、とお出しされると物足りない感じかもしれぬ。
でも愛する人の死の話に弱いのでちょいちょい泣きました。
「祖父母に葬儀会社の跡継ぎを望まれているけれど男同士であり、地方」というところがこの先もまだ引っ張られそうです。

honto.jp/ebook/pd_33233508.htm
ためしにコマンド言ってみた/ゆくえ萌葱

DomSubユニバース。
親しいDomのふたりだけども、うっかり酒の席で発したコマンドがDom同士なのに効いてしまう……というはじまり。
元々好きな作家さんだし、宇宙猫状態がツボにはまったので単行本楽しみにしてましたが、やっぱりラブラブハッピーでよかったです。
「命令が効く」世界なので色々無理やりが起こりがちなユニバースだけども、今作はいちいち同意をちゃんととってるのがよいですな。
ただ逆にDomSub読んだことないとピンとこない部分もあるのかも。説明描写はわりとふんわりしているので。でも雰囲気でわかるか。どうだろう。私はもうDomSubを知らない頃の脳に戻れないからわからない。

しぶに試し読みがあるよ。
pixiv.net/artworks/116836300

大学生と魅惑のまなざしのリーマン/ 鴨川ようかび
honto.jp/ebook/pd_32948418.htm

最近知ってる作家の安定の作品ばかり読んでたので、久々に新しい人の作品を読みました。昨年11月発行、商業初単行本とのこと。
あまり漫画を描き慣れてはいない感じでわかりやすいキャッチーさもないのですが、ものすごく独特の味がありました。おだやかでラブコメで犯罪だけど超珍味。
わずかな情報から相手のSNSを複垢含めて全部発見し執着し追跡するネットストーカー大学生が、インターン先で出会った会社員に執着する様子が淡々と進んでいく……いくんだけど……説明が難しい。
コミカルなセリフはクスッとするんだけど、そうなれるまでにちょっと時間がかかった。
でも最終的には「彼氏のことを思い出してるコマの、思い出されてる彼氏が着ているTシャツの犬のプリントが、想像の中なのでちょっと可愛さを増している」という一コマにずっとニヤニヤ出来る感じになっていました。
オススメしていいものか迷う独特さだけど、ここに書き残しておきたい一冊でした。

honto.jp/ebook/pd_33002134.htm

恋の仕方を教えてよ/森キヨウ
うどん屋店員にビビっときたえっちな化け狸が、ぐいぐいがんばるラブコメ。
試し読みで狸形態を見て即ポチでした。いいフォルムの狸だった。狐と猫もいるよ。
恋をしらない化け狸と、狸に振り回される不器用なうどん屋が、ラブになっていく様子も可愛らしく。狸狐合戦展開もスムーズだったし、いい具合に挟まるコミカルな部分もテンポよくて、エンタメ加減がとても楽しかったです。

honto.jp/ebook/pd_32896192.htm
ねんねこ ころり/echo

echoさんの犬猫人間シリーズ新作!! 前作は犬でしたが、今作は猫。お人好しな人間と猫たちの同居、非常に可愛かったです。
今回は子猫がいたのでさらに可愛さドンでした。ふすまを開けて欲しいとアピールする毛玉が可愛かった。
前のシリーズ読んでなくても概ね大丈夫だけど、読んでないとわかんない部分もあるので、今回発売記念でセールになってるので未読の犬猫好きはまとめてぜひ。
honto.jp/ebook/pd_29687494.htm
honto.jp/ebook/pd_30558587.htm

honto.jp/ebook/pd_32853069.htm
侵略!宇宙猫チャン!/元ハルヒラ

宇宙人が猫に擬態して男性カップルの元に転がり込むBL。
BLとして一本しっかり話があるのに、横から宇宙人猫がぐいぐい割り込んできて謎の読み心地です。もともと元ハルヒラさんは不思議なテンポの作風なので納得ですけども。
猫は宇宙人の擬態なので、猫としての可愛さはそんなでもないです。が。いぬが。いぬが可愛い。飼い犬のチャヅケ♀が可愛い。猫漫画に見せかけて犬漫画だった。ダルメシアン入った雑種なのか、斑点が入ってるのもいい。
ただ「最悪な女性が出てきて割と最悪なまま」「猫をいじめる子どもが出る(子どもらしい範囲内ではあるが)」があって結構ひっかかったのでそこはご注意。

honto.jp/ebook/pd_32834244.htm
朝が来たら、ふたりは/81

作者さんデビュー単行本。ゲイバーにいるのを盗撮からの脅しで身体の関係になった同僚同士(両方ゲイ)……という事実だけ見るとよろしくないスタートではありますが。
絵柄が柔らかいのと描写が繊細なのと受がめっちゃ頑張ってるのと、そもそも開始時点で脅された攻がワンナイでやるだけやってるタイプの人なのでまぁ、うん。
ストーリーは定番中の定番ですが、ふたりの周囲の人間の設定や過去設定が結構盛りだくさんなのにすごく適切な位置に適切な温度で配置されていて、ページ数に対して結構な量なのに過不足無くおさまってて、能力が高い新人さんでした。商業が初なだけでいっぱい描いてる人だろうな……。
試し読み増量版も出てたのでそちらも貼っとくね。
honto.jp/ebook/pd_32841864.htm
あと作者近影が顔が黒く毛が白い羊なので応援したい。次回作も楽しみです。

honto.jp/ebook/pd_32805912.htm
押しかけ淫魔くんとXLサイズの社畜さん/京古

初単行本のデビュー作家さん。
エロ漫画なタイトルですが、押しかけ女房する淫魔くん★という実際コテコテのエロ漫画(作中でも言われてる)。
でもなんだろう……表情とかテンポとかがいいのか、トラブル→ラブの典型パターンのシーンで泣いてました私。あれかな、泣き顔がツボにきて一緒に泣いた感じかもしれぬ。受の泣き顔も攻の泣き顔も盛りだくさんでした。
淫魔くんも社畜さんも周囲の人もそれぞれ前提設定が濃いめなんだけども、表出の加減がしつこくないのでキャラがよくたってました。あとキャラの表情をぐっとくるように描くぞ!!!!という気合がずっとあった(そっちは時々過剰だったけどまぁそれもよし)。好みだ。次の本も楽しみです。

honto.jp/ebook/pd_32824375.htm
極道は孤独な鬼を夜に喰う/芥

作者買い。
足抜けしたいヤクザに、組長は「抜けたければこいつを殺せ」と不死の鬼を渡してくる……というヤクザファンタジー。
無垢で不憫な鬼をどんどん愛しく思ってしまうヤクザ、果たして鬼を殺せるのか……というやつです。
芥さんは健気受けが定番でツンデレ受けもいいよねという感じですが、無垢受けはちょっと犯罪感あってソワソワしました……長命の鬼だけどもアワアワする。そら甘やかしたくなりますわよね攻さん。
ラストのおしごと風景もかわいくてよかったです。しあわせになれ。

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