僕が「アクセシビリティー」という言葉を明確に意識したのは1996年頃のことで、1997年に成り行きでW3C/WAIの発足から関わり始めて、以来この分野のことをやってきてるわけだけど、これだけ時間が経ってもあまり大きな変化がないように思われるのはなぜなんだろうと最近よく考える。
1つの考えとしては、実際にはそれなりに良い方向に変化しているのだけど、連続する小さな変化を意識しないまま僕がぼんやり暮らしてるだけだということ。おそらく少しはこの側面はあると思う。実際四半世紀前より便利になってることとかあるし。
ただ、本質的には、結局アクセシビリティーというものの重要性とか意義とかを理解してる人がそれほど増えていない、ということなのではないかという気がしてる。
で、なぜ理解が広がらないかといえば、それは人権とかそういうことについての前提が大きく変わっていないからということなのだろうと思う。
アクセシビリティーの向上で社会参加できる人が増えれば社会が変わると思ってきたけど、まず社会を変えないとアクセシビリティー向上に必要な意識が育たないのかもしれない。
僕が取り組むべきことはそっちの方向なのかもしれないと漠然と思ってる。