いろいろ本を読んだり歌とか落語とかを聴いたり映画とかお芝居とかを観たりしていると、なんとなく耳に残るフレーズというのはあるものだと思う。個人的なそうしたもののなかに、たぶんポール・オースターの最初の方の作品で、主人公が父親のことをいろいろ回想しながら自らの赤子のことを思って、「そのワイルドな身体」みたいなことを考えるところがあって、問題ある父親のもとで育った人間として共感しつつ、赤ちゃんのワイルドな身体とはどういうものなんだろうとか思っていたんだけど、いまいつもの4時のミルク要求に際して、泣きながら時計回りに45度ほど回転しつつあるわが子と対面しながら、この身体はたしかにワイルドだわ、と納得してる。
なんか毛深いしね、赤子。