パク・ゴヌンという作家は、作品によって大きく絵柄を変えるようだけれど、『ウジョとソナ』がこの一見してマルジャン・サトラピを思わせる画風を選んだのは、なんというかよくわかる。
『ペルセポリス』で描かれた少女マルジの成長とイラン革命という主題と、日中戦争下、日本軍の苛烈な攻撃にさらされる中国全土を臨時政府とともに放浪しながら子どもを育てる独立運動家夫婦という本作の主題には、やっぱ通じるものがあるんだと思うんだよな。
子どもの生き生きとした子どもらしさと、暴力のむごたらしさをどちらも雄弁に語れるスタイルというか。