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食料危機時に政府が農家に対して増産計画の届出を指示でき、従わない場合には罰金を科すという内容の「食料供給困難事態対策法案」を検討している農林水産省。これは「自己の農地について使用/収益/処分を自由に行える所有権の否定」であり、憲法第29条で保障される「財産権」の不当な侵害である。そもそも「危機時になってから計画しても無意義」であるが。

憲法第29条各号では「財産権の不可侵性」や「公共の福祉による財産権の制約」等が規定されている。「公共の福祉」とは「各人の権利の衝突を調整する原理」であり、所謂「公益及び公の秩序」や「政府の意向」とは根本的に異なるものである。且つ、現行憲法においては「国家緊急権」を容認する規定である「緊急事態条項」がない以上、公権力が「非常事態」を理由として市民の基本権及び自由を制限する事はできない。したがって、当該法案の如き「市民の基本権を政府の意向に劣後させるような内容の法令」は憲法違反である。

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