「ハーフ」等と呼ばれる人々がスポーツで活躍した時、いくら血反吐が出るような努力をしていてもそこは認められず、「やっぱりハーフだから」「外国の血が入っているからだ」などと周りから時にはコーチや先生や身内から言われることがありますが、ぜひ本人の積み重ねてきた努力を賞賛してください。
インタビューをしてきた方の中では、インターハイに出場するレベルの選手が身内から同様のことを言われてスポーツの道を諦めざるを得なかった人もいました。その影響をぜひ考えてみてください。それぞれの「人種的」バックグラウンドの中で人によって得意不得意があるのは考えればわかることだと思います。こういう「人種」だから、こういうことが得意・不得意だというイメージは人種的ステレオタイプとしてテレビなど様々なメディア媒体から刷り込まれていることを自覚し、ぜひ本人の努力にフォーカスをあててください。
これは他の分野でもいえることだとおもう。この肌の色、この自分自身の生は現存たるものであると同時に、また置かれた社会的状況があると同時に、本人が努力して日々積み重ねてきたもの、ずっと続けてきたこと、歯を食いしばってやり抜いてきたことがある、そういうのがルーツばかりがフォーカスされる中で、わかりやすい物語りとして消費され抜け落ちてしまうという事はよくある。
これは「人種なんか関係ない」というカラーブラインドな姿勢にも注意が必要です。
人種的民族的なバックグラウンドに関連して起こる差別の構造をしっかり指摘することと、活躍した個人の努力にフォーカスして賞賛することは、両方同時に成り立ちます。
そして同時に、
一見矛盾しているように見えるカラーブラインドネスと、人種のステレオタイプの影響は、それぞれが現実の人種差別的な構造を温存・持続させている、という現実的な側面では実は同様の効果を持っています。
なのでそれぞれを同様に批判していくこともとても大切です。
「きみは〇〇人のルーツがあるからこれが得意なんだ」というステレオタイプと、「きみは自分と同じ地球人。なにも違いはない!」という姿勢は、同様に有害な効果・影響をもたらしています。