自分は個人的に「『複文』が容赦なく出てくるようになったら外国語学習は中級レベル」だと思っている。
(言語によっては判然としない基準だが)
英語なら、英検準2級は「中級への準備段階、初級の卒業試験」、2級が「本格的に中級レベル」という感じ。
なので、現行の準2→2級で時間がかかってしまう人が多いのは当然。
ここに新たな級を作っても、学習に対する効果という点では多くを期待できない(というか、弊害の方が大きい)と思う。
この「初級→中級の壁」は、「頑張っているのに成果がなかなか出ない」ってのが特徴。
理由は簡単。
外国語だけではないが、上達するほど一段ステップアップするために必要な努力は指数関数的に増加する。
それまでの感覚で「自分は頑張っている」と思ってやっている量では圧倒的に足りなくなってくるのだ。
それを初めて如実に感じるのがこの段階、というワケ。
この壁をきちんと乗り越える手前で中途半端に「成功体験」を与える級の新設は、受検者に間違った自信を与えて「まだまだ足りない」ことへの自覚を妨げることになりかねない(というか、準2級合格者の「その後」を見ていると必然的にそうなる、としか思えない)。
英語教育に携わる身としては、かなり「取り扱い注意」な案件だと思う。