ナラ枯れの蔓延は
・カシノナガキクイムシの集団穿孔(マスアタック)を受けると枯死しやすい大径木が森林内に増えたこと(人間がナラ類の薪炭利用をしなくなったので、高齢化・大径化した個体が増えた)
・温暖化により、ナラ菌の媒介者であるカシノナガキクイムシの活動域が広がったこと(個体数が増えている可能性もある)
で、だいたい説明できるとされている。
大気汚染や酸性雨の影響を疑う声もあり、それが「全くない」かどうかはわからないが、少なくとも主要因ではない。
一方で
・大径木の方が枯死しやすい傾向にあるのは何故なのか
・集団穿孔を受けても枯死しない木もあり(ミズナラで2~3割、コナラで5~6割とか)、枯死する個体との違いは何か?
については、まだ解明されていないと思う。(シンプルに、アタックを受けた数が少ない木は生き残りやすいことはわかっている)
ちなみに、カシナガが集団穿孔するのは、集合フェロモンを出して仲間を呼ぶ性質があるから。
研究のために、集団穿孔の穴の一つ一つに爪楊枝をさしているところを見たことがあるけど、物凄い数の穴が開いており針山のようになるので、ちょっとビビる。