去年と違って今年はおっさんの映画ばかり観てるような気がする。 ここ最近観た新作が『オッペンハイマー』,『アイアンクロー』
『オッペンハイマー』はタイトルが人名なので基本的に一人称映画。核兵器は悲惨なものである認識を前提とした背景の一部なので核兵器の悲惨さを描く文脈ではない。とは言え終盤にかけてはオッペンハイマーその人より周囲の群像を丁寧に描くことでオッペンハイマーを際立たせる形になってて,特にロバート・ダウニー・ジュニアが強烈。なお,オッペンハイマーのキリアン・マーフィーが吹けば飛ぶようなひょろひょろなのにフローレンス・ピューのガタイが良すぎるせいで,そのシーンだけ我に返って笑ってしまうのは演出なのか?
『アイアンクロー』は1980年前後のプロレスブームを見てた人間には「あああぁ」てなる映画。でも強烈過ぎる父権に持ちこたえられなくなる仲良し兄弟の話が柱なので,プロレスシーンとちゃんとセットで観るのが健全なんでしょうね。ドキュメンタリーでも道徳映画でもないけど良い映画です。(両方の映画ともそういうことです)