崔洋一監督が入院前にドミューンで行ったなんと12時間の配信トーク（聞き手は樋口尚文氏）がYouTubeで時限公開されていて、飲みながら暫く見入ってしまった。今まで読んだことのなかった写真専門学校に進学した経緯などが語られ、またいろいろ思い出してしまった。
そんな訳で、監督を取材したときの思い出話をもう一つ。
監督の取材のため何日か東京にいたある日の夕方、その日の撮影は終了となったとき、これから梁石日の直木賞発表待機パーティーに行くけど、撮影する？と聞かれ、そんな機会は当然有り得ないので、ぜひと願い出、会場の居酒屋みたいなところに向かった。
その日は、月はどっちに出ているの原作者の梁石日氏の文学関係者や映画関係者がごった返し、撮影のため同行したカメラマンも興奮していて、カメラ前に立った男性に、おじさんちょっとどいててくれ！と言っているのが聞こえ、見ると、それは山下洋輔なのだった。暫くすると電話が鳴り、その日、梁さんの受賞は叶わなかったが、電話を切って梁さんがそれを来場者に伝えた瞬間、チマチョゴリを来た女性が太鼓を叩き出し、会場は音楽とダンスで溢れた。あのちょっとした失望のあとに展開されたあの狂騒も忘れることができない