居候のブログ、いよいよいい感じに仕上がってきたのでみなさん読んでやってほしい
https://wagaizumo.hatenablog.com/entry/2023/03/05/142916
別にこの音楽がどう作られてようが知らない、ただ僕ら私らは歌詞とサウンドになんとなく浸って気持ち良くなりたいだけなんだ、という幸福な観客は過去のメディア環境が作り出したものでもあると思う。ライブ映像が簡単に見られて、制作のハードルがめちゃくちゃ下がって、外で遊びまわる時間がなくなって、そういう状況の中で新しい熱心な観客はポップスに対するリテラシーと素朴な権威主義をゆるやかにインストールしていっているように見える。俺にとっての権威主義は、趣味の問題とつながったほんとにくだらないものだったと思うんだけど、彼らにとっての権威主義はもっと、部活の先輩を敬うくらいの毒っけのないものに見えるときがある。
ポップスを聴くということが遊びかアートかみたいな、そういう趣味の次元から、どんどんスポーツ観戦みたいなニュアンスを増していっているように個人的には思える。それはある意味一つのアートフォームにおけるコミュニケーションの成熟の過程として当たり前っちゃ当たり前のことかもしれないんだけど、ポップスというマスコミュニケーションの中でそういう流れがより強くなっていくのだとしたらとんでもなく変なことだと思うし、面白いと思うし、ただ同時にぼんやりとした予期不安も感じる。