両京十五日下巻 済南府 感想(がんばって言語化)
権力者のキャラってどうしても厳しく見てしまうというか、特に無鉄砲で幼くどうしようもないがいざというとき(だけ)は大局を覆す(要はおいしいとこだけもってく)みたいなのは周りの苦労や平常断続的に取りこぼされている犠牲を思うと冷めた目で見てしまいがちなのだけど、この太子は…なんか、めちゃくちゃ好きだ
不死鳥のごとき執着心とか、びびるくらい言葉と感情をまっすぐ飛ばしてくることがあるとか、すぐ調子に乗る素直さとか、なんか可愛いとか、人から寄せられていた期待や心尽くしに応えようというより自分に期待を寄せてきたその人自身のことを思って自分の抵抗やわがままを封じるところがあるとか、まあ色々あるとは思うんだけど… なんか書いてると全部しっくりこない
ごめん呉定縁……俺も太子のことが好きだ…… (呉定縁は俺に関係ねえだろと言ってます)
両京十五日下巻 済南府 感想(がんばって言語化) つづき
この朱瞻基は、お守りしたくなるし、付いていきたくもなる、魅力的な人だと思います
な、呉定縁… 君が一番よくわかっていると思うんだけども…
というかあの呉定縁が太子に誓いを思い出させて執念を蘇らせるからの、馬で逃げながら「"お前に関係ねえ"と"オレに関係ねえ"その二つが言えたら、天下にこれ以上の快事はない」「あいつらはいつも"人君らしからぬ"と言いおる、それこそ"お前に関係ねえ"だ」と言いながら、だが、と矜持をもって死ぬをよしとする覚悟を決める太子、の一連の流れ、倒れるかと思いました
呉定縁の「じゃあ、娶れ!オレに関係ねえ!」からの太子の輝き、圧倒的名シーン