窓際のトットちゃん見た いい意味で語りすぎないというか、トットちゃんにははっきりとはわからないことだからはっきり語られないけど、映像は常に大人から見えてる世界……って感じで
いい意味で予告を裏切ってくれた……

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ネタバレあり感想 

大人から見える世界を「カラーひよこ」とか、いつもの切符売りのおじさんがある日突然知らない女性に変わるとか、色々駆使してうまく描かれていた
小さいシアターで左右が子供連れだったんだけど、いつもの切符売りさんが知らない女性に代わっていたシーンで、トットちゃんと同様「?」ってなってた子に、親御さんが「戦争に行っちゃったんだよ、男の人は」と小さい声で教えてあげていて、たまには人の多い回の映画館もいいなーと思った

ネタバレあり感想② 

最初に言った「語りすぎないのが良い」を自分の中でもう少し噛み砕けたので追記

窓際のトットちゃんは子供に見える世界だけを描いているから生々しい描写はほとんどないんだけど、それは映画が「子供向け」として抑えているからではなく、子供に見える世界が優しくあるよう作中の大人たちがなんとか守っているからだ、という風に見せる構図になっていたと思う そこが本当にすごかった

「いまは子供が見ていないと思っている時の大人」をほんの少し挟んだり、子供にはわからない大人の内心を描いたり(モノローグで出ることはないけど大人なら言われなくてもわかる)することで感じさせてくれた

あと、変化も結果も見せるけど結論はまとめない、というのも各シーン徹底していて、君はいい子、たくさん経験して自由に生きていきなさい、という見守る眼差しを感じた
いやほんと考えれば考えるほどめちゃくちゃよくできた映画だったのでは……?という気がしている

窓際のトットちゃんネタバレ感想③子供目線の世界、大人にはわかること 

上映中、左右の親子連れの小声会話がよかった話 まだあったので書く

小児まひの泰明ちゃんの母親が泰明ちゃんの土で汚れた服を見て嗚咽するシーンで「嬉しいのかな……?」「嬉し泣きだね」「……」「服が汚れるくらい元気に遊んできたから…」「ふーん……」という会話もあった。

あと戦争に突入していく中でお別れシーン無しで(=子供のトットちゃんには理由が教えられず) いなくなった、切符売りのおじさん、お父さん、飼い犬のロッキー、はみんな戦争に連れて行かれたんだと思うんだけど、ロッキーについては「死んじゃったんだ」って言ってる子に親も「うーん……そうだね」って感じで。
若そうだったしあの犬種だし物語の流れ的に軍用犬として連れて行かれたのだと思うけど、知識がないとここは気付かない、疑問にすら感じない(むしろ空の首輪のカットから「死んじゃったんだ」と気付くという推測を一枚挟むことで、それが真実であると強く感じていた風だった) シーンだな〜と思った
駅員のおじさんが急に知らない女性に代わるという、明らかに"どういうこと?と疑問を感じさせる”やり方とは対照的

こういう子供に見えている世界と大人に見えている世界の違いを浮き彫りにする数々の描写が本当にすごかった

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