エルビラ・ナバロ「兎の島」読了。 すごく好きな短編集だった!どうにか保っていた日常も、一つの不安で簡単に崩壊してしまう。じわりと内的に追い詰めてくるような恐怖。物語の結末もはっきりしているものは多くなく、こちらに想像の余地を与えるのでまた怖くなる。 私は当事者目線で考えてしまいがちなので、小説に書いてあることを全て本当だと受け止める節がある。 疑いなく読むからこそ色んな所へ連れて行ってくれる。それもとても楽しいけど、もう少し多面的に読みたい気持ちもある。 次読む時は、どこまでが現実でどこまでが妄想、あるいは超自然なのか俯瞰して読んでみたい。 どこを取ってもおざなりになっていなくて、きちんと噛み締めるような言葉がとても多かったように思う。 「心の中では思っていても口に出さないことが、ほかにもたくさんあった。」