高井ゆと里「トランスジェンダー問題」読了。
著者はイギリスのトランスジェンダー諸問題について触れているけれど、日本に置き換えても大してかけ離れていないと思ってしまうほど近年のトランスフォビアは著しい。
イギリスが行った社会調査のアンケートで、「トランスジェンダーへの偏見は全くない」に対しては80%を超えているのに、彼らが警察官や教職に就くことを聞かれると途端に賛成率が半減している。私含め無意識下の差別はそうやって生まれているんだろう。
訳者の解説が同ページにあるのもとても良かった!基本は文献と一緒に一番後ろに持ってくることが多い気がしていて…その場で疑問を解決できるのはとても助かる。「このあたりの著者の記載については注意が必要」等訳者自身の意見も書いてあり、なんだか新鮮だった。
本書の最後には、訳者が章ごとのテーマに日本の現状を加えた「訳者解題 日本でトランスジェンダー問題を読むために」が書かれている。これもまた国内の問題を知るのにとても勉強になった。