渡辺努『物価とは何か』
物価の基本的な話から始まって、物価の計測方法から最新の理論まで幅広く論じられている。あとがきに書いている通り、教科書的にメインどころの話題をさらう本ではなく著者の関心に沿って話を進める本であるがどの話も面白くて分かりやすい。個別に思ったことを3点ほど。
・緩やかなデフレがそもそもなぜ悪いのか、という点は後半で述べられているが、そこの展開はやや怪しい。もっとも、これは著者が悪いのではなく学術レベルでもコンセンサスを得られていないトピックだからである。
・貨幣の需要曲線と供給曲線から最適な貨幣供給量が決まるというフリードマンの議論が紹介されているのは珍しいが、あともう一歩で最適デフレ理論まで言えるのだから、そこまで書いても良かったのでは。
・参考文献が乗っていない。……と思いきや、オンラインで参考文献一覧が見られるらしい。
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伊藤・田中・真渕『政治過程論』
テーマが多いので概説的な書きぶりが多い。具体的な話を知りたければ章末に挙げられている参考文献を読みましょう。
あと、2000年の本なので例も古い。新版が出てほしいねぇ。
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平井上総『兵農分離はあったのか』
著者の思索を追っていく本であって、手っ取り早くわかりやすく解説する本ではない。
史料を綿密に読み込んでいて、歴史学の最先端に触れている気分を味わえます。
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