「発達障害」にしても「愛着障害」にしても「依存症」にしても「PTSD」にしても「パーソナリティ障害」にしても、診断名は単なる記号に過ぎません。記号は共通言語にはなっても状態像全体を表すわけではありません。ある枠組みの中に入る安心感はありますが、単なる記号に自分を押し込めてしまってももったいないです。
現代では精神疾患の薬物療法が発展し、ある程度診断名が共通言語として有用にはなりましたが、それでも特に精神疾患においては薬物療法は対症療法に過ぎず、しかしだからこそ自己診断では危険を伴い、精神科医の診察と処方が必要なのです。
そして精神医療へのアクセシビリティを高めるために公認心理師や臨床心理士がいるはずなのですが、日本ではいまだこれらの資格が機能していません。これではアクセシビリティが高まるはずもありません。つまり診断名にこだわる前に精神医療やカウンセリングへのアクセシビリティを高めることのほうが先なのだと思っています。