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「虎に翼」。最終週のあたりでへばっていたせいもあり、内容があまり印象に残っていない。とりあえずこれだけはと思っていた点を書いておこう。
序盤の毒饅頭事件法廷劇で、「女性医師が起こしたチフス饅頭事件を題材に、学長たちは『女給の起こした毒饅頭事件』として学生たちに渡した。ナレーションは、『私たちはこういうふうに都合よく使われることがある』と語る」くだりがあった。この場面を見たとき、わたしはこのドラマを好意的な感想でもって語るのは難しいと判断せざるを得なかった。史実を題材にしつつ、テーマに基づき脚色を(しかもかなり大きく)施す本作は、「実際の事物、人物を都合よく利用する」性質をどうしても有するからだ。そして画面からは、脚色と利用を等号で結ばないための工夫や努力を見出すことは最後までできなかった。
フィクション、エンターテイメントとしての出来はよかったので、その点を好意的に感じはするけれども、批評性についてはかなり疑問の残る作品だったと思う。

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