景気づけにややこしい兄弟の話でもするか。過日、インターネット見てたら「聖闘士星矢」アニメ放映時のムックに「シュラはアイオロスを兄のように慕っていた」旨の小説が掲載されていたと知った(しかも執筆はシリーズ構成の小山高生らしい)。順当にいけば確かにそういうのが出力されるだろう、とは思ったがそれだけだった。わたしならばテンション爆上がりになりそうな話であるのに。なんでだろう、と考えてみたら、わたしにとってシュラのドラマ性は「思考を硬直化させていた人間が、あるきっかけによりみずからの目にかかっていたまやかしを取り払う」点にあるのであって、敬慕はおおきな問題ではないからだ、と結論づけた。物堅い忠義者が、反逆者となった兄と慕う先輩を誅せねばならない。それは順当なシチュエーションではあるが、原作の「正義」、アニメの「忠義」いずれにしても余分なものになると思う。