「終端」がメッチェンとアザリーを対比させているなら、「鋏」でメッチェンと対比されているのはクリーオウになろう。
「サルアは復讐に奔り、そのために自分の力を振るうことを決断した。しかしその裏には開拓地と都市のいざこざを一掃する打算もあった。つまりメッチェンの死を利用した」であり、導き出されるのは「オーフェンは復讐しない。力を使わない。クリーオウを利用しない」だ。
怒りのままに力の誘惑に乗ったことを責めつつ、怒りばかりではなく立場の苦しさもあるだろう……と考えている。しかしこれは理解を示すものではなく、実は打算、人の死の利用を批判しているのではないか。「未来」で復讐に狂ったのてあれば話は早かった、と胸の痛みを感じていることを考えれば。