オレンジ版は、メリルを「世間知らずのお嬢様が中年男性に学ぶ」というダサい造形に→敵役のナイヴズを「気持ちはわかるけどそんなやり方はだめだよ」みたいなそもそもの問題から受け手の目を背けさせる処理→主人公に道を指し示す役割であるレムの言動に確たる芯がない、と話が進むにつれてどんどんテーマからズレていったのがな……。
メリルについては、前日譚を描きたいのはともかく工夫がないどころか「荒野の酒場で若い女の子が騒いでたら大変なことになるからロベルトをつけた」と、むしろ工夫してあれというのが脱力する。しかも旅を通じて成長したことを示す描写が「タンクトップ姿にサングラスをかけ、タバコを吸う」で、なにかのギャグのつもりなのかと思った。
レムの言動を原作通りにするにしろ変えるにしろ、ヴァッシュが彼女から指針を得たと作中で示さなければならないのにあやふやな言動止まりだったのは謎。
1期の構成を見ると、足りない描写は完結編でやるだろう、と点を甘くつけることもできない。